「太白飴」田邊菓子店
登米名物の「太白飴」は、10月下旬から5月中旬に販売される期間限定の商品です。
「太白飴」は、大麦の種子を発芽させた麦芽と、蒸したもち米を混ぜ合わせて作ります。砂糖は一切使わず、麦芽に含まれるジアスターゼが、もち米のデンプンを糖に変えて自然な甘みをもたらします。
宮城県内では古くから食べられ、県北地域でもかつてはいくつかのお店で作られていました。昭和20~30年代に砂糖が容易に入手できるようになると、手間のかかる麦芽作りが敬遠され製造元が減少していきました。
現在では、明治13年(1880)より「太白飴」を作り続ける老舗「田邊菓子店」が登米市内で唯一の製造元です。
「太白飴」は、10月下旬から5月中旬に製造されます。
期間を限定して製造される理由は、「飴に適した麦芽を作るため」。
麦芽は大麦を水に浸したり天日干しをして作られます。暖かい時期に短期間で作られた麦芽は、デンプンを糖に変える力が弱いため飴には適しません。また、もち米に加える麦芽の量を増やせば飴の味が変わってしまいます。
「太白飴」には、寒い時期にじっくり時間をかけて育った麦芽が一番適しています。そのため「太白飴の旬」は、1月から3月とも言われています。